難しそうに思われがちなタイ語ですが、実は比較的習得が簡単といわれている言語です。そんなタイ語について、どういったポイントが簡単といわれているのかをご紹介します。タイ語が親しみやすい理由を知ることで、苦手意識がぐんと薄れます。これからタイ語を勉強しようとしている方は、肩の力を抜いて学習に入れるように是非この記事を参考にしてください。
タイ語は語形変化がないから簡単
タイ語は他の言語に比べて習得が簡単といわれています。その理由のひとつに、タイ語は語形変化をしないことが挙げられます。例えば、タイ語は「冷たさ」「冷たい」といった品詞や文法による使い分けがありません。また、英語のような過去形や未来形といった時制による変化も、数によって変化する複数形もありません。フランス語、イタリア語、スペイン語のように人称によって動詞が変化することもありません。
そのため、ひとつの単語について何パターンものバリエーションを覚える必要がありません。覚えた単語をそのまま文中に盛り込んで使うことができるのです。このシンプルさがタイ語を簡単と言わしめている理由のひとつです。
語形変化がないからこそ難しい点もある
「タイ語は語形変化がないため習得が簡単」と述べましたが、「語形変化がないからこそタイ語の聞きとりは難しい」という注意点があります。自分が聞き手・受け手になった際、その文章が現在と過去のどちらについて述べているかを判別するためには、文章全体に目を通す必要が出てきます。英語なら「go」「went」と一つの単語に注目するだけで、どの時制の話をしているのかをある程度判別することができます。しかしタイ語では、文章全体に目を通して「昨日」や「明日」といった時制を示す語を見つける必要があるのです。タイ語では時制を表すために文章内で複数の単語を一緒に使う必要があり、そこが英語などに慣れている人にとっては少し煩雑に感じるポイントかもしれません。
タイ語は最低限覚えるべき単語数が少ない
タイ語は単語を覚えることで、ある程度の会話が可能になります。この気軽さも、タイ語が簡単といわれる理由のひとつです。ある言語を80~90%理解するために必要な語彙数は、日本語では10,000語といわれています。それに対して、タイ語は5分の1の2,000語です。タイ語では単語を少し覚えれば、それらの単語を組み合わせることでいくつもの意味を表すことができます。
例えば、「ジャイ(心)」と「ディー(良い)」という単語を覚えたとします。これを組み合わせることで、「ジャイディー(親切、優しい)」「ディージャイ(嬉しい)」の2つの単語が出来上がります。このようにタイ語は基本的な単語を優先的に覚えることで、それらの組み合わせによって作られた単語の意味も理解しやすくなります。ただし、「ジャイディー(親切、優しい)」と「ディージャイ(嬉しい)」のように、単語は組み合わせる順番によって意味が異なるので注意が必要です。
タイ語は数字も覚えやすい
次に、数に注目してみましょう。日本語では一般的によく使う数の数え方に一から十、百、千、万、億、兆があり、それより上にまだ京(けい)、垓(がい)と続き、無量大数(むりょうたいすう)といった数え方まであります。一方でタイ語には、一から十、百、千、万、十万、百万のしかありません。千万以上の数字を表す場合には、一から百万までの数字を組み合わせていきます。こうした数の数え方は馴染むまでは大変かもしれませんが、覚える単語自体は少ないのでとっつきやすいといえます。ちなみに、タイ国内では算用数字(1~9)だけでなく、タイ独自のタイ数字も併用されています。
タイ語はルールさえ覚えれば読める
タイ語は、子音、母音、声調記号の組み合わせで書き表します。そのため、読み方のルールさえ覚えてしまえば意味はともかく発音することは可能になります。具体的には、42個の子音字と、18個の母音字、21個の重母音文字、4種の声調で成り立っています。文字の種類が多く大変に感じるかもしれませんが、理論から入るタイプの方はタイ文字の読み方から習得することで、すぐに発声という実践が可能になるためにより達成感を得やすくなります。
なお、日本で市販されているタイ語のテキストの中には、アルファベットのような発音記号で発音方法を示しているものが多くあります。日本語のカタカナ表記では、発音にシビアなタイ語の読み方を表すには不十分です。そのため、読み方をスムーズに習得するためには、こうした発音記号を採用しているテキストを参考にするのが賢明です。
発音の誤りは文法でカバー
タイ語の発音は日本人には発音しにくい口の動きのものも多く、声調と呼ばれる抑揚の付け方だけでも5種類あります。例えば、タイ語の「近い」と「遠い」は、意味が全く逆にもかかわらず発音をカタカナで表記するとどちらも「クライ」となります。このように、タイ語には声調の違いで全く異なる意味になってしまう単語が多く存在します。声調を正しく覚えて発音できるようになることは、タイ語でのコミュニケーションにおいて非常に重要といえます。そこでお薦めしたいのが、単語を文法に乗せて使うことです。文章にすることで文脈から単語の意味を類推することが可能になり、発音の誤りをある程度カバーすることができます。まずは知っている単語を増やし、積極的に文章を作っていきましょう。
まとめ
今回は、タイ語が簡単といわれる理由についてご紹介しました。習得が比較的簡単といわれることもあるタイ語ですが、努力しなければ当然身につきません。上達のコツは毎日短時間でもタイ語に触れ続けることです。日常的にタイ語に慣れ親しむことが、タイ語習得の近道といえるでしょう。
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