タイ語は難しくとっつきにくい言語だと思われている方も多いかと思います。しかし挨拶程度であれば、コツをつかむことですぐに覚えることができます。また、タイ語は日本語の表現方法と少し似ているところもあり勉強していると楽しい発見がたくさんある言語です。そこで今回はタイ語での挨拶表現についてご説明します。
タイ語の会話『基礎知識』
タイ語の挨拶を勉強する前に、まずはタイ語に関する基礎知識についていくつかご説明します。この基礎知識を知っているだけで、タイ語の会話の幅がずいぶん広がります。また、タイ語には日本語には無い発音も多く含まれていますので、カタカナ表記や発音で表現するには難しい発音もあります。しかし、カタカナ発音でも十分に現地の方に通じることができますし、何よりタイの方はとても気さくで優しい人ばかりなので臆せずに話しかけてみてください。
タイ語と女性と男性
日本語には、男性が使う言葉と女性が使う言葉があります。これは日本特有の表現だと思われる方が多いかと思いますが、実はタイにも男性が使う言葉と女性が使う言葉が存在します。また、日本と同じようにタイにも言葉の語尾につける「です」、「ます」にかわる言葉があり、男性と女性で違う言葉を用います。そして、タイの方は自分の親や兄弟や目下の人に話す時でさえ、基本的に言葉の最後には「です」、「ます」をつけるのです。
具体的な例
先程、タイの方は基本的には必ず言葉の語尾に「です」、「ます」にかわる言葉をつけ、男性と女性ではつける語尾が違う言葉になるとご説明しました。具体的にいいますと、
・男性は“~クラップ”
・女性は“~カー”
と表現します。例えばタイ語で「ありがとう」という言葉は「コッ(プ)クン」というので男性の場合「コッ(プ)クンクラップ」、女性の場合は「コッ(プ)クンカー」となるわけです。また、“クラップ”と“カー”は単体で用いると肯定を表す「はい」という意味にもなります。これに「マイ」という言葉を加えると「いいえ」という否定を表す表現になります。しかし、会話の際に受け答えする際には「はい/いいえ」だけだと少しぶっきらぼうな印象になるため、ここに「チャイ」という言葉を足すことでより丁寧な表現になります。まとめると
・はい、そうです 「チャイ クラップ/カー」
・いいえ、違います 「マイ チャイ クラップ/カー」
クラップとカーは語尾につけると、より落ち着いた丁寧な表現になりますし、句読点替わりにもなるため毎回つけたほうが無難でしょう。
『微笑みの国』タイ国
そして、タイ語の挨拶について勉強するにはタイの方の挨拶に関する考えを学んでおく必要があります。タイは「微笑みの国」とも称されるほど友好的で穏やかな国民性の方が多いです。日本で『気持ちの良い挨拶』というと大きな声でハキハキとしたものとされていますが、タイでの『気持ちの良い挨拶』は少し違っています。タイでは大きな声は出さずに、「微笑みを持って」静かな挨拶を好まれる方も多いそうです。言葉は交わさず微笑み合うだけでも立派な挨拶になります。
しかし挨拶の言葉を交わさないというわけではなく、挨拶の言葉もきちんと存在します。タイで挨拶を表現する言葉には「サワッディー」というものがあります。この言葉は時間帯や場所に関係なくどんな時にでも使うことができる大変便利な言葉です。もちろんこの場合、男性なら「サワッディー クラップ」、女性なら「サワッディー カー」です。
覚えておきたいタイ語の挨拶
先程「サワッディー クラップ/カー」はどんな時間帯でも使うことができる便利な挨拶だとご説明しましたが、時間帯によって使い分けることができる挨拶もあります。主に朝・昼・夕での食事の際に使われることが多い表現で、タイ人の方と食事をする際に使うとよりコミュニケーションを図ることができるので覚えておいて損はない表現です。
・おはよう(朝の挨拶)…「サワッディー トーンチャーウ クラップ/カー」
・こんにちは(昼の挨拶)…「サワッディー ティエンワン クラップ/カー」
・こんばんは(夕の挨拶)…「サワッディー トーンイェン クラップ/カー」
・こんばんは(夜の挨拶)…「サワッディー トーンカーンクーン クラップ/カー」
簡単なタイ語での自己紹介
タイ語での一人称
最後にタイ語での簡単な自己紹介の方法をご紹介しましょう。その前に、自己紹介する際には一人称を述べる必要があります。英語だと一人称の表現は1種類しかありません。日本語ではどうでしょう。僕、俺、私、あたし、わい、わし、ウチなどたくさんの一人称がありますね。実はタイ語にもたくさんの一人称が存在します。基本的に男性は「ポム(僕)」、女性は「デイチャン(わたくし)」といいますが、小さい子供や女性は「ヌー」と表現することがあったり、「グー(俺)」や「ラオ(うち)」や「チャン(わたし)」という表現を用いたりします。タイ語に慣れてくると、こういった表現を使いこなせばより個性が出てきて素敵ではないでしょうか。
タイ語で自己紹介
タイ語での簡単な自己紹介の表現です。今回は「こんにちは。はじめまして。私の名前は○○です。どうぞよろしくお願いします。」をタイ語で表現してみましょう。
・こんにちは…「サワッディー クラップ/カー」
・はじめまして…「インディーティー ダイルーチャック クラップ/カー」
・私の名前は○○です…「ポム/デイチャン チュー ○○ クラップ/カー」
・どうぞよろしくお願いします…「コー ファーク ヌア ファーク トゥア ドゥアイ クラップ/カー」
といった具合です。
まとめ
タイ語の挨拶についてご説明しましたが、いかがでしたか。タイ語は難しそうな言語と思いがちですが、語尾の使い方や丁寧な表現、一人称の多様さなど日本語と少し似ている部分も多いことに驚かれたのではないでしょうか。タイ語のコツさえつかめば、挨拶などの簡単な表現であればすぐ日常会話に組み込むことができますので、タイ語に挑戦してみたい、学びたいという方はまずは挨拶からはじめてみてはいかがでしょうか。
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